WRCに向けて実戦デビュー 車の耐久性は・・・?

ついにヴィッツの実戦テストです。
WRCに向けて準備は大詰め、ここで問題点を洗い出さなくては!!

競技会名: North Attack Rally 2004
出場車両: NCP10 ヴィッツ RS
      
      サービスIN手前のTCで時間待ち中・・・
  結果: 2Aクラス2位

コメント:1.準備〜出発
     前回のMACラリーから1週間後、WRCへの参加受付が始まりました。
     WRCへの申し込みとほぼ同時期にこのラリーの申し込みも出し、ドキドキ
     しながら車両の準備を進めてきました。今回の車両準備のポイントは、
     まずは完走できることが大事と思い、“壊れないこと”としました。
     だから車高も高めです。
     今回、車両の輸送については、ラリーのステージが北海道と言うこと・
     WRCに向けて長期の休みが取れないこともあり、運送屋さんにお願い
     しました。ちなみに、人間の移動は往復共に飛行機です(往復で飛行機使って
     ラリー行くの初めてです・・・)
     そして、台風の影響でスケジュールが狂い、ラリー前週の日曜日に車を
     名古屋港へ持っていくことになり、準備がかなりドタバタしてました。
     その帰りに、人間の準備として毎度おなじみの石川カイロプラクティックに
     行って、準備万端です。
     出発は、木曜夕方の飛行機で名古屋から千歳へ。飛行機を降りた瞬間、
     半袖の自分が恨めしくなりました・・・。車は北大自動車部さんに
     苫小牧まで取りに行ってもらっていたので、空港で受け渡しをして
     レンタカーとの2台体制でそのままスタート会場の幕別町(帯広の東隣)へ
     向かいました。宿泊先にたどり着いたら、もう翌日でした・・・

     2.レキ
     レキ当日の金曜日は、朝6時起き。・・・眠いです。朝食済ませて受付して、
     車へ向かいました。レキをタイヤの慣らしも兼ねてヴィッツでやるか、
     エアコン付きの快適なレンタカー(カルディナバン)でやるか迷った結果、
     レンタカーで行くことにしました。この時気が付くと時刻は8時。林道に
     入れるのは8時半〜ということで、ドライバー様には前を走るラリー車の
     後をついていって貰い、私はビデオの設置準備。最初の林道には9時に
     到着したのでした。
     今回のレキは以下の3カ所を2回走る設定。時間的には余裕がありそうです。
     SS1・4・7 19.53km 比較的リズミカルな、今回最長のSS。
     SS2・5・8 14.64km 今回最も高速なSS。車がたくさん通った後だと
     道が荒れるかも?
     SS3・6・9・10・11) 2.80km WRCでもギャラリーステージで使われる
     陸別サーキット。上り勾配がキツい。
     レキで走ったイメージでは、陸別サーキットはクロスM/Tが必須
     思われました。ウチのヴィッツはWRC仕様のためノーマルミッション・・・
     (FIA公認のクロスM/Tもあるにはあるんですが、すでに生産中止) 
     他の車(ヴィッツ・ストーリア)はみんなクロスM/T搭載済みなので、
     厳しそうです。逆に、林道のほうはアベレージが高いのでミッションによる
     加速力の影響は少なそうです。
     そして、HQで参加確認をしてノートの清書開始。終わると22時でした・・・

     3.Leg.1
     ラリー1日目は、7時起き。スタートの早い4駆Cクラスの準備で、すでに
     駐車場はざわざわしていました。8:40にパルクフェルメに入り、8:50に
     ゼッケン51のウチのヴィッツはスタート。まずはここから96km先の
     サービス会場(陸別サーキット)へ2時間で移動です。サービスでは、タイヤの
     エア圧を調整して貰って、SS1へ向かったのでした。

     SS1は、YAM WAKKA(19.53km)。新品のPELTORをかぶって、スタート。
     この時、私のシートポジションは意外に前が見えないことに気がつきました。
     目視で、自分がどこにいるのか確認しにくいなぁ・・・と思っていたら、
     砂利の多い路面でABSが唐突に作動してビックリ。ABSとの格闘に終始し、
     ブレーキをうまく旋回につなげることが出来ない様子。そして、途中の
     ストレートでは鹿が現れてまたビックリ。ゴールしてみると、ヴィッツ
     同士はほぼ変わらないタイムでしたが、トップのストーリアとは1km
     あたり2秒以上のタイム差がついていました。

     SS2は、KUNNEYWA(14.64km)。YAM WAKKAよりも高速なこのコース、
     砂利が多くて、フロアとの干渉で抵抗が大きかったです。ヴィッツの
     パワーだと、120km/hからあまり加速していかずほぼ定速走行状態・・・
     欧州ヤリスカップの車両並のパワーが欲しいものです。ここでも、
     トップのストーリアとは1kmあたり2秒以上のタイム差がついていました。
     #またここで、K野ヴィッツがRrハブのトラブルを抱えて、大きく後退・・・

     SS3は、RIKUBETSU(2.8km)。ここでは予想通り、同じヴィッツにも
     1kmあたり2秒以上のタイム差をつけられてしまいました。スタートして
     すぐの急勾配ではやはり、クロスM/Tの有無は大きいようです。

     ここで、20分のサービス。タイヤの前後入れ替えと、フロア・外観の
     損傷状況のチェック、各部のゆるみをチェックして貰いました。
     ・・・全く問題ナシでした。

     SS4は、SS1と同じコース。この時点で2台ほどリタイヤがあり、
     ウチのヴィッツの後ろには昨年の全日本2駆Bクラスチャンピオン・
     I泉さんの駆る、オープンクラスのランサーとなりました。先ほどまでは
     後ろの車に追いつかれることはなかったのですが、今回ばかりは・・・
     ランサーは12kmくらい走ったところで追いついてきました。
     #後で知ったんですが、こういう時ってスタート時刻を2分あけて下さることが多いそうです。
     気がついてすぐ進路を譲ったのですが、そのあとコースに戻ったら
     土煙がひどくて、前が見えません・・・(ToT)。ペースノートがあると
     言っても、これでは攻めきれないので大幅にタイムダウン・・・
     #でもこの時点で、完走すれば3位は確実だったのでした・・・

     SS5は、SS2と同じコース。一通り競技車が通過して砂利が掃けて硬い
     路面が顔をのぞかせてきたのでABS作動の恐怖感も消えて、ようやく、
     調子よく走れてきました。ゴールすると、SS2より18秒タイムアップして、
     ベストのストーリアに1kmあたり0.7秒差まで詰め寄りました。
     #またここで、ストーリアが1台リタイヤし2位に順位が上がりました。

     SS6は、SS3と同じく陸別サーキット。SS3より5秒タイムアップしました
     が、やはり厳しいの一言に尽きます・・・

     ここで、20分のサービス。他のヴィッツ・ストーリアは何かしか壊れている
     ようで、サービスが忙しくなっているようでした。その一方、ウチの
     ヴィッツは全くノートラブル。Frタイヤを新品にして各部増し締めを
     して貰いましたが、ロアアームの取付が少々トルク低下しているかな?と
     感じる程度でした。

     SS7は、SS1と同じコース。これで同じルートを3周目に入ることもあり、
     路面が荒れ始めてガードと石の干渉が増えてきました。それでも、これまでで
     一番速いタイムを叩き出し、ヴィッツの中ではベストを獲得

     SS8は、SS2と同じコース。ドライバー様の走りがキレていました。
     ストレート手前の左コーナーのイン側に隠れたギャップがあり、これに
     引っかかって“このままひっくり返るのか?!”と思いつつ、ノートを
     読み続けてゴール。
     #ちなみにこの場所で、そのギャップに引っかかってアウト側に飛ばされてリタイヤ
     したと見られる車両も・・・

     SS9は、陸別サーキット。林道SSの終了した今となっては無難に走りきって、
     ゴール。

     ここで、60分のサービス。アライメントの変化をチェックしてもらい、
     特に問題なしでした。このあとHQのある幕別まで戻って、車は車両保管。
     これでラリー1日目は終了です。

     4.晩ご飯
     今回、サービスを4BクラスのH口さんにお願いしていたこともあり、
     サービスの皆様と晩ご飯に出かけました。行き先は帯広市街(WRCで泊まる
     宿の前も通過しました)。メニューは焼肉。ジンギスカンなんて初めて食べ
     ました・・・。そして意外なのが、あれだけ飲み食いしてもかなり安かったこと。
     北海道に来てからというもの何気ない食べ物でもとびきりおいしいので、
     幸せでした。(^o^)

     5.Leg.2〜ゴール後
     ラリー2日目は6時起きでした。レンタカーにラリー車に持っていかない
     荷物を詰め込み、サービス隊にお願いして陸別まで運んで貰いました。
     ウチのクルーは7:10のスタート。昨日と同じく、サービス会場の陸別へ
     向かいました。

     本日のSS10・11は共にギャラリー向けの陸別サーキット。もう順位が
     確定していたので、ギャラリーの前だけ勢いよく、あとは無難に走って
     ラリーは終了。再車検もパスして、2位が確定し、シリーズポイントで
     トップに立ちました。

     表彰式後は、レンタカーの返却と北大でWRCサービスの打ち合わせのため、
     札幌に向かいました。北大自動車部に来たのは3年ぶりでしたが、あまり
     変わらない様子でした。メンバーがそろったところで、WRCの日程と照らし
     合わせて、準備について打ち合わせを開始。その後北大自動車部さんに
     千歳まで送ってもらい、翌日朝イチの飛行機で名古屋に帰り会社には午後から
     出勤しました。
     次に北海道に行くのは、WRC・・・
     そのためにも、今回判ったことについては対策していこうと思います。 inserted by FC2 system