ノーマルミッション・・・それでもついに全日本初優勝!!

ラリーを始めたころ(6〜7年前)は、
自分が全日本ラリーに出場することすら夢にも思っていませんでしたが
今や全日本に出るのが当たり前になって、今回は・・・!!
当時私をナビとして拾ってくれたドライバー様に感謝です。m(_ _)m

競技会名: 2003年 MACラリー
出場車両: GA2 シティ CR-i
     
  結果: A2クラス1位
     ついにやりました!! 全日本で優勝しました!! \(ToT) /<---嬉し泣き

コメント:1.準備〜出発
     前回のGRAVELのラリーでの反省を生かし車両準備としては、
     その1.ブレーキ対策。
      今回のラリーでは24kmのロングSSがあるので、前回のことを考えても
     絶対に対策は必要です。新しいパッドはレース用に近い、高温での効きを
     重視したもので、走り始めたばかりの低温時は効きが悪いので注意が必要です。
     その2.フォグランプをドライビングに交換。
      前回タイムダウンの原因になったライトの暗さ対策です。
     その3.ショックの仕様変更。
      どうやら前回のラリー後、壊れてしまったようです。元はストロークの
     ほとんどない足でしたが、今度はいかがなものでしょう???
     車もほぼ出来てきたラリー前週、エントラントリストが発表になり
     ビックリ!! Cクラスから出走している・・・Aクラスは最後なのですが、
     ウチはゼッケン38番、Aクラスで6番目の出走。夜7時ゴール予定なので
     ヘタをすると最後のSSで周りが暗くなってしまうかも・・・
     ドライビングに交換したとはいえ、真っ暗になってしまったらやはりもう
     2個ドライビングが高い位置に欲しい! 不利になるなぁと思いつつも、
     またもドライバー様のお仕事が忙しくなりそれ以上の手を打つことが出来ず・・・
     そして追い打ちをかけるかのように出発前夜、ドライバー様からは
     「ミッション(4速までクロス)壊れた・・・」との電話が。早朝に、
     車はSRSへ。会社にいる間にスペアのミッションに交換していただきました。
     スペアは5速フルクロスとの噂ですが今回、現地への移動は自走ということも
     あり5速フルクロスは辛いところです。
     そして夜、ドライバー様が車を預けた後電車で会社に行ってしまったので、
     私がSRSで車を受け取って迎えに行くことになりました。SRS社長曰く、
     「”これで走るしかないんだ”と伝えておいて」とのこと。???と思い
     ましたが、とりあえず走り出してみると前のミッションより車が扱いやすいです。
     あれ? 5速に入れてみると、エンジン回転は至って普通。まさか・・・
     その後、ドライバー様と合流して運転交代。加速してみてドライバー様曰く
     「これノーマルミッションだ!! デフも効いてる感じがしないからノーマルか?!」
     スペアミッションは実はクロスじゃなかったようです。
     #移動は楽で良いけれど・・・
     「これじゃ勝負にならない・・・」そう思いつつ、ウチのクルーはサービスと
     ともにレキの集合場所である美川スキー場に向かったのでした。

     2.レキ
     松山I.C.に到着したのは、金曜日の朝5時くらいでした。それまでにノーマル
     ミッションを色々テストしてみましたが、やはりシフトアップ時にエンジン
     回転が落ち込んでしまい加速で勝負にならなさそうです。壊れたミッションも
     持ってきてあるので、レキを別の車で行いレキ後の車検までにサービスで
     ミッションを載せ変えて勝負をかけるか?!という案も飛び出しましたが、
     サービスへの負担が大きいこともあり、とりあえずノーマルで行こうという結論に。
     スキー場に向かう前にガソリンをセルフスタンドで満タンにして、現地到着は
     朝の6時。受付まで2時間くらい眠れます。みんなで爆睡モードに入った
     のですが・・・7時ごろ、窓をコンコンと叩く音が。誰かな?と思い目を
     覚ましてみると、とんでもない事実が発覚!! 何と、先ほどのガソリンスタンドで
     フューエルキャップを忘れていたのです・・・私たちが取りに行っても
     間に合わないので、サービスに取りに行ってもらうことに。そして、
     万が一間に合わなかったらという時のためにどうしよう?と考えていたら、
     オフィシャル車両に同じ車がいるのを発見!! 持ち主を捜して、
     「フューエルキャップ貸してください・・・」と話を持ちかけ交渉成立 v(^_^)。
     ちょっと安心しました。
     レキの受付も済ませて準備を進めているころ、フューエルキャップの交渉を
     させていただいた方がいらっしゃって「オフィシャルで車出すことに
     なっちゃいました・・・」と。そうなると、何が何でもサービスに間に合って
     もらわなくてはいけません。レキはゼッケン順の出走だったので、ドライバー様は
     出発を出来るだけ遅らせてもらおうと主催者に交渉しOKを頂戴しました。
     キャップはぎりぎりのタイミングで間に合い、ヴィッツのKさんの後ろについて
     レキをスタート。今回のレキはコンボイ&エントラントの対向車有りということで、
     場所によっては離合が大変です。基本的に睡眠不足なので24kmのSSのレキで、
     集中力が途切れそうになることも。2回目走るときには要チェックです。
     ところが、1回目を走ったところで「トラブルによりレキはこれで終了」とのこと。
     2回目を走れないのは辛いなぁと思いつつも、ノートの清書に十分時間が
     取れるのは私としては嬉しいところです。
     #24kmのSSに至っては20ページ近くになりそう・・・
     私はテントの下でノートの清書を開始し、ドライバー様はミッションに関して
     悩んでいる様子。レキで走った感じでは、特に上り坂での加速が厳しいようです。
     セリカのMさんからは「どんな状況になっても確実にポイントを掴む
     カンクネンを目指しては?」とアドバイスをいただき、ミツバさんから
     「(まだ時間あるし)ミッション直してみようか? それともデフだけでも組み替え
     しようか?」とご提案いただきましたが、ミッション自体どこか壊れているか
     解らないのでノーマルミッションで明日を走ることに。
     #でも、作業をお願いしなくて良かったと思うことがこの後に・・・
     受付まであと1時間ほどとなりドライバー様は給油に向かった直後、
     空がにわかに曇り始めゴロゴロと・・・そしてザァという音と共に強い雨と
     風と雷が・・・まるで夕立です。これでは作業も何も出来ません。
     外に出していた荷物を慌ててテントに取り込みましたが、一部はぬれてしまいました。
     #レーシングスーツがぬれなかったのは、せめてもの救いです
     そのままテントの中で身動きできず、受付に行くのも車で移動。ドライバー様が
     車検に向かう頃には雨は小降りになっていましたが明日の天気はどうなることか
     ・・・そんな心配をしつつ、ロッジで残りのノートを清書してビデオの確認を
     半分だけ(残りはスタート前に)して、翌日に備えて眠ったのでした。

     3.第1ステージ
     ラリー当日は7時起床。ブリーフィングが8:30から、スタートが10:38:00
     ということで朝ごはんは軽めにして、酔い止めも飲みました。ブリーフィング
     前は空がゴロゴロ言って、雨もポツポツと降って、タイヤ選択をどうするか
     悩ましい状況だったのでスタート前に交換できるようDL93Jも準備。
     ブリーフィングの後、残りのノートのチェックをしてあっという間にスタート。
     スタートから300mも走らないうちに、SS1(2.9km)に到着。昨日の雨が、
     しっかり残ってます。でも、このくらいなら今履いてきたDL98J(GPS)で
     大丈夫そうです。スタートしてすぐの左コーナーであっさりスピンしそうに
     なりました。ホント、よく滑ります。ここはひたすら上りのSSということで
     ウチのクルーには不利なのですが、ゴールしてベストを聞いてみると、ベストの
     2秒落ち。ここは3kmあることを考えると、キロ1秒も離されていません
     スピンした割に何とか食いついて頑張っているようです。
     次のSS2(4.1km)は、前半の上り勾配がキツいところ。スタートしてから
     加速している間にドライバー様がクラッチを蹴っているのが解りました。
     ”蹴飛ばしクラッチ”って技があるのは聞いたことがありますが、使っている
     のを見たのはこれが初めてでした。ゴールしてみると、2秒差をつけてベスト
     今回ひょっとして意外に何とかなるのかも?と思いつつ、SS3へ。
     SS3(10.7km)は、下りがメインとなったコース。高めのギヤでスーッと走って、
     9秒差をつけてベスト。この時、車がこの状態でも今回も上位を狙える
     かも? とお互い思い始めました。
     これで、第1ステージは終了。サービスの合間に周囲の状況をまとめてみると・・・
     ゼッケン                減点
     34(今回タイヤがYH --->DL・GA2)    938
     36(前回のGRAVELで優勝・マーチ)    937
     37(地元”美川マイスター”・GA2)    937
     38(ウチ・GA2)             926
     46(全日本ジムカシリーズ5位入賞・GA2)  957
     といった状況で、ウチは11秒差でベスト。全体に路面が滑りやすく
     乗員の軽さでウチが有利なのとクロスミッションの関係しない下りでの
     稼ぎが大きいようです。・・・が、この後は上りがメインとなってきます。
     そして、天候も心配です。
     
     4.第2ステージ
     サービスの間にまたポツポツと雨が降り、限られた時間で悩んだあげく
     タイヤはDL98J(GPS)のまま行くことにしました。
     SS4(2.9km)はSS1と同じところで、前回スピンしかけたところ・他の
     滑りやすいところに気をつけつつ難なくゴール。前回より2秒タイムアップして、
     同秒ベストです。
     ガスコンを済ませ、次はSS5(10.1km)。移動が長かったのでその間に
     路面が乾いているかと思いきや、相変わらず道はWet。しかも、ここと次の
     SS6は上りが中心。上りはやっぱり辛いようで、ここはベストの2秒落ち。
     でもキロあたり0.2秒差と、他車に離されず食いついています。
     この後ドライバー様曰く、10km近く距離のあるSSを走った感じでは
     ブレーキ・タイヤともにタレてないとのこと。ブレーキ対策は大正解
     だったようです。
     そして、次のSSまでの間はSS9で使われるのでノートの読み合わせも
     しながらSS6(8.2km)へ。ここは上りメインですが一部下りもあるコースで、
     路面もまだWet。上りでの区間タイムでは2位と出遅れたものの、後半からは
     本領発揮してゴールするとベストタイム
     これで、第2ステージは終了。この時点での周囲の状況は・・・
     ゼッケン                減点
     34                   2058
     36                   2036
     37                   2052
     38(ウチ・GA2)             2018
     46                   2065
     といった状況で、2位以下を18秒引き離して1位。ですが、最後のSS9の
     距離は24km。油断してキロあたり1秒以上差をつけられてしまうと逆転
     されてしまうので、SS9が勝負どころとなりそうです。

     5.第3ステージ
     気合いを入れ直し、サービスの間に再びビデオでノートのチェックを。
     これは、SS5〜SS6の間で読みながら移動したら合わないところがあった
     ためです。レキ1回だとやはり精度が悪いようです。タイヤの減り具合も
     心配していたのですが、十分溝が残っていたのでリタイヤ車両からお借り
     することもなく無事スタート。だいぶ、路面が乾いてきています。
     SS7(2.9km)はSS1・4と同じところ。何度も走っているのでだいぶ習熟して
     きました。が、加速の弱いノーマルM/Tをカバーするためにインカット
     しようとしたら、泥に乗ってスピン。離されたか?と思ったら、それでも
     SS4の時より1秒タイムアップしベストからは2秒差。離されてはないようです
     次のSS8(5.2km)は、前半がSS2と同じ・後半がSS6の後半と同じという
     コース。同じ道を使っても、SSのリズムを変えたいというオフィシャルの
     意図が見られます。
     #中部だとANDもそうですが、こーゆーラリーって好きですね。
     ここでは、前半の上りが厳しいため出遅れたものの、3秒差の3番手タイム。
     そして、最後のSS9(24km)。日が暮れて暗くなるのが心配でしたが、
     何とか間に合いそうで安心。また、ドライバー様はハイアベで15kmを
     走った経験があるそうですが、私は長距離でのペースノート読みは
     全くの未経験です。この時点で、ゼッケン36に対し21秒、ゼッケン37に
     対し29秒、ゼッケン34に対し35秒のアドバンテージを持っていましたが、
     ここで気を抜きすぎると、逆転されてしまいます。キロ1秒負けるくらいが
     限度ですが、折角ここまで来ていてコースアウトしたら元も子もありません。
     「踏みすぎず・抑えすぎず」をモットーにスタートしました。途中、
     私のノート読みがついていけず「次!」「次!」と請求されることもあり
     ましたが、無事ゴール。今回のラリーで一番上手くドラ・ナビ間の連携が
     取れていた気がします。
     他車の様子を見ると、2位争いが熾烈だったようです。ゼッケン36は
     シリーズ首位争いのために2位獲得に向けてスパートしベストタイム。
     ゼッケン34・37も2位を目指しましたが届かず・・・
     というわけでウチがペースを守って、逃げ切り。・・・1位を獲得!! \(^o^)/
     ゴール後、周りからは「おめでとう」の声が。有難うございますm(_ _)m。
     車はあんな状態で、ドタバタだったというのに、勝ててしまいました・・・!!
      やはり、ラリーは精神力と腕とコンビネーションかな。
     次はダート用のEP82を準備しなくては。皆様、情報提供よろしくお願いいたします。 inserted by FC2 system